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木の実践的アドバイザーがお答えする,木と住まいに関する10の質問 |
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Q10:レストラン等の改装も木を使って施工できますか?
Q09:マンションのリフォームにも木は使えますか?
Q08:住宅の施工数が減少して多くの工務店が潰れているようですが、どうしてですか?
Q07:無垢材や国産材を使うと値段が高くなると言われていますが、本当ですか?
Q06:いまさらですが、「シックハウス症候群」ってなんですか?
Q05:いまさらですが、「耐震診断」ってなんですか?
Q04:最近、国産材の使用が強く叫ばれていますが、どうしてなのですか?
Q03:伝統(軸組)工法と在来(軸組)工法はどう違うのですか?
Q02:「無垢材がいい」ってよく耳にしますが、どうして無垢材が良いと言えるのですか?
Q01:木材を適材適所に使うというのは、具体的にはどのようなことですか? |
Q10:レストラン等の改装も木を使って施工できますか? |
飲食店のコンサルタントを行なっています。その際、内装には木や自然素材を使った提案を行ないます。
最近はエキナカやホテルのデザインに木目を使うケースが多くなってきていますように、木の空間の愛着を感じるお客様が多いようです。
木の板には緊張感を与えるマホガニー系の色合いや和みを与えるタモやバーズアイを使い分けます。その他古材や流木や染色した木の柱、梁を使って空間に立体感を与えます。
最近の傾向として、古民家や町場の民家を改修してレストランにするケースが増えてきています。家庭にいるような和んだ雰囲気で食事をしてもらうレストランのコンセプトに相応しい空間を創ります。
古材を使った居酒屋で店の中の異様な臭いに気づくことがあると思います。店舗リフォームでもシックハウス(VOC)対策を行うので変な臭いを気にすることなく安心して食事を愉しむことができます。 |
Q09:マンションのリフォームにも木は使えますか? |
中古物件を購入して新しい生活を始めるためのリフォームの依頼があります。
マンションのプランは3DKが多いのですが、家族構成に合わせて使いやすいプランニングをします。間仕切りを取り払い、建具で3DK〜1LDKに変化する可変型のプランニングを採用します。多くのお施主様にはその意外性が好評です。
リフォームではバリアフリーにするために必ず床のレベルを揃えます。マンションの管理規約に従い材料を選択し、床の下で音がでない工夫をしてフローリングを張ります。その他に塗り壁の白と木の色のバランスをとりながら天井や壁にモミなどの板を張ります。
無垢の板を張ることで部屋の中の湿度を調整し、結露が出にくくなります。また木目の効果によって心理的に心地よい空間になります。 |
Q08:住宅の施工数が減少して多くの工務店が潰れているようですが、どうしてですか? |
姉歯問題をはじめとする耐震偽装問題解決のために建築基準法や建築士法が改正になりました。2007年6月以降は建築確認と審査の厳格化のために確認申請が下りにくくなり、なおかつ時間がかかるようになりました。
詳しくはこちらもご覧ください。
構造設計士の減少、建設業者の倒産など社会的な影響が大変深刻になってしまったため改正建築基準法の抜本的な見直しを求めて働きかけを行っていますが、それが実現されるまでしばらく確認申請関して時間を要しますので余裕を持ってご相談ください。 |
Q07:無垢材や国産材を使うと値段が高くなると言われていますが、本当ですか? |
無垢の木や国産材を使うと高くなるとよく聞きます。ハウスメーカーの展示場で聞いたとか、大工さんから聞いたという答えが返ってきます。無垢の木を使えないハウスメーカーや無垢の木を使えこなせない大工さんが、お客様を牽制するためにそのように説明しているようです。
工事費全体に占める木材費の割合は1,2割で無垢材にすることによるコストアップは数十万円〜多くて100万円程度です。無垢材を使うには大工の手間がかかります。その分のコストアップは建物の質に反映します。
ハウスメーカーの場合は建物実行予算が抑えられ、その分営業経費に充てられます。ハウスメーカーがかけている営業経費を大工の手間にまわすことでコスト的には却って抑えられます。
無垢材を使うメリットは職人が木と向き合い丁寧な仕事をすることです。大工が丁寧に造ると建具、塗装など他の職人にも影響し、建物全体の質が高くなります。無垢材を使った木の家で完成したときに中に入ったときに感じる心地よさはこの質の高さによるものです。
是非本物の素材による木の家を手に入れてください。 |
Q06:いまさらですが、「シックハウス症候群」ってなんですか? |
シックハウスという言葉は誰でも知るようになりました。化学物質過敏症の一種で住宅の中に入ると発症する場合をいいます。
厚生労働省は13物質の指針値を提示していますが、これらの物質以外でも化学物質過敏症を発症してしまう場合もあります。総揮発性有機化合物(TVOC)を抑える必要があります。
木の建築設計で行なっている植物抽出液によるシックハウス(VOC)対策工事は住宅だけでなく学校においても抑える効果があったという実績があります。他ではあまり出回っていないこの方法を是非お試しください。なかなか眉唾ものと敬遠する方もいらっしゃるかもしれませんが、実際に利用者からのお褒めの言葉をいただいています。
施工前後の室内空気の濃度測定を行えますので数値でもご確認ください。 |
Q05:いまさらですが、「耐震診断」ってなんですか? |
1995年の阪神大震災では6400名以上の犠牲者を出してしまいました。その8割の方が家具の転倒と住宅の倒壊によって犠牲になっています。
私も弟が被災したことと木造建築の危機感のために震災直後に現地調査を行ない、それ以降安全な木造住宅の検証と普及のために行政に働きかけるなどの活動しています。
震災被害を抑えるためには現在建っている建物の耐震化が欠かせません。
現在は自治体の助成を利用すれば耐震診断を無料または安価で受診することができます。特に昭和56年以前の建物にお住まいの方は是非受診してください。
耐震診断の内容は、建物の耐力壁の配置と量、痛み具合を見て耐震性を判定します。その上で必要な場合は耐震補強計画を作成します。
アンケートでは耐震診断をどこに頼んだらよいかわからないという声を聞きますが、そのような場合は是非お問い合わせください。 |
Q04:最近、国産材の使用が強く叫ばれていますが、どうしてなのですか? |
樹木は生育する土地の自然環境に耐えられるように育っています。湿度が高く温暖な気候の日本で木造住宅を建てる場合スギ・ヒノキなどの日本の木がもっとも適しています。
構造材として多量に輸入されているホワイトウッドなどの欧州材は湿潤状態ではシロアリや腐朽菌に弱いので今後被害が懸念されます。
また、ウッドマイレージという考え方があるように外国から輸送されてくる木材は化石燃料を多量に消費するため環境負荷が大きいことと、原産国での環境破壊が大きな問題になっています。
日本の植林された木を使うことで消費地と生産地の経済を循環させ、生産地の雇用が保障され、下草苅りや枝打ちなどの山の手入れができるようになります。森林を整備することによって、土石流などの自然災害を防止し、海洋資源を豊かにすることに寄与します。 |
Q03:伝統(軸組)工法と在来(軸組)工法はどう違うのですか? |
構造的な特徴は地震力や風力などの外から力に対して、伝統工法(伝統的構法)は、力を分散させて架構全体で受け止めます。
見た目ですぐにわかる特徴は、伝統工法は木を組んでつくる継手・仕口、貫、土壁でできています。
伝統工法には無垢材を使いこなすために長年培われてきた大工技術が反映されています。2階建て木造の場合は耐久性・耐用性などを総合的に考えて伝統工法をお勧めしています。職人が手間を掛けて作るので職人の思いが住み手に伝わり、住まいに対する愛着が湧くので手を入れながら長く住み継ぐことになり、結果として100年以上持つことになります。
他方、在来工法は力を接合部に集中させて耐えるようにできています。「筋違い(スジカイ)」や構造用合板とそれを留める金物でできています。
在来工法は計算しやすく、簡単に加工ができて工期が短いので軸組木造のほとんど在来工法でできています。大方が大壁づくりなので壁の中の劣化がわからないことと住み手の愛着が湧きにくいので3世代に渡って住み継がれることは少ないようです。
木の住まいを50年のスパンで考えるか、100年のスパンで考えるかで工法を選択するのもよいでしょう。 |
Q02:「無垢材がいい」ってよく耳にしますが、どうして無垢材が良いと言えるのですか? |
建築に使う木材は四角くまたは薄く製材しただけの無垢材と、薄くスライスまたは小さな断面に切ったものを接着剤で貼り合わせた集成材があります。
集成材は木のクセをなくし同じような強さと粘り強さを得られるために大量生産には大変重宝しています。ハウスメーカーの住宅はほとんど集成材を使っています。
一般的には反ったり曲がったりする無垢材を使うときにでる木のクセは欠点とみられていますが、力のかかるところにその反りを利用して使うのが長年培った大工の知恵です。
木を適材適所に使うということは一見欠点と思われる木の特徴を利点として活かすことです。
無垢材の最大の利点は本物の質感を実感できることです。その他に削り直したり傷を補修したりして後のメンテナンスが容易であること、接着剤に含まれる化学物質の発散量を抑えられること、廃棄物処理の課程で環境負荷が小さいことがあります。 |
Q01:木材を適材適所に使うというのは、具体的にはどのようなことですか? |
木は樹種によって、あるいは育った環境によって性質が違います。
住宅で使われる木材には大きく分けて構造材と仕上げ材(羽柄材)があります。
構造材は力のかかり方によって、柱にはスギ・ヒノキ、梁には粘り強いマツを使います。
仕上げ材には見栄えの良さから木目がきれいな樹種、傷が付きにくい堅い樹種、加工しやすい樹種、水に強い樹種などが使われます。
樹種を選択するにも合理的な理由があります。 |
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