最近、睡眠時無呼吸症候群(SAS)がマスコミで取り上げられることが多くなった。睡眠1時間あたりの無呼吸や低呼吸が10回以上起こる場合に睡眠時無呼吸症候群と診断される。睡眠時無呼吸症候群の合併症には心筋梗塞、狭心症、脳血管障害、高血圧、糖尿病などがあり、死亡率が高くなるので睡眠時無呼吸症候群は看過できない病気である。
去る3月13日に慶應義塾大学病院(東京都新宿区)でAPH(NPO肺高血圧症研究会)が主催する、肺高血圧症と睡眠時無呼吸症候群について考える勉強会が行われた。循環器内科田村雄一医師が実例を紹介しながら平易な言葉で病気の説明をし、患者が納得するまで質疑応答が繰り返された。

田村医師に熱心に質問する患者さん。撮影・江原幸壱
肺高血圧症は、心臓から肺へ血液を送り出す血管が狭くなって肺動脈の血圧が高くなる病気である。初期症状は、坂道や階段を登るときに息切れがしたり、呼吸が苦しくなったり、立ちくらみしたりする。さらに進むと心不全を起こし、動悸、足のむくみなどがあらわれる。失神、咳、血痰がでることもある。原因が不明の原発性と、膠原病や先天性心疾患などが原因の二次性がある。かつては、肺高血圧症は肺移植以外に助かる方法がなかった死亡率が高い難病であったが、現在は治療薬が開発され、生存率が高くなってきている。
睡眠時無呼吸症候群には、肥満やあごの形が原因で気道を塞いでしまう閉塞性無呼吸と中枢神経から呼吸の司令がいかない中枢性無呼吸がある。治療法は、閉塞性無呼吸にはマスクを通して気道に圧力をかけるCPAP療法、中枢性無呼吸には在宅酸素療法(HOT)と心不全専用の人工呼吸器(ASV)を使う方法がある。
睡眠時無呼吸症候群と診断されて実際にCPAP療法を施した患者からは、よく眠れて疲れがとれ、大変楽になったという感想が聞かれた。
肺高血圧症の患者の中にはよく眠れていないという自覚症状がある患者がいたが、これが睡眠時無呼吸症候群であると自覚していた患者はほとんどいなかった。田村医師は肺高血圧症や心不全の患者には中枢性の睡眠時無呼吸症候群を合併している患者が多いことに警鐘を鳴らし、その治療に意欲的に取り組んでいる。
睡眠時無呼吸症候群の治療には保険が適用される場合があるので、疑わしいと思われる人は専門医を受診するとよい。田村医師は「いびきがうるさい」「日中の眠気が多い」「熟眠感が得られない」などの症状を自覚する場合には、一度睡眠時無呼吸の有無を確かめる検査を行うことを勧めている。
「患者の自立」を促すスタイルの医療が確立していない日本では、外来だけでは患者が自分の病気をとことん理解し、心底納得して治療を受けることは難しい。患者と医師の交流の橋渡しになっている患者会の存在意義は大きい。
●睡眠時無呼吸症候群(慶應義塾大学病院)
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000265.html
●肺高血圧症研究会
http://www.aphj.org/
去る3月13日に慶應義塾大学病院(東京都新宿区)でAPH(NPO肺高血圧症研究会)が主催する、肺高血圧症と睡眠時無呼吸症候群について考える勉強会が行われた。循環器内科田村雄一医師が実例を紹介しながら平易な言葉で病気の説明をし、患者が納得するまで質疑応答が繰り返された。

田村医師に熱心に質問する患者さん。撮影・江原幸壱
肺高血圧症は、心臓から肺へ血液を送り出す血管が狭くなって肺動脈の血圧が高くなる病気である。初期症状は、坂道や階段を登るときに息切れがしたり、呼吸が苦しくなったり、立ちくらみしたりする。さらに進むと心不全を起こし、動悸、足のむくみなどがあらわれる。失神、咳、血痰がでることもある。原因が不明の原発性と、膠原病や先天性心疾患などが原因の二次性がある。かつては、肺高血圧症は肺移植以外に助かる方法がなかった死亡率が高い難病であったが、現在は治療薬が開発され、生存率が高くなってきている。
睡眠時無呼吸症候群には、肥満やあごの形が原因で気道を塞いでしまう閉塞性無呼吸と中枢神経から呼吸の司令がいかない中枢性無呼吸がある。治療法は、閉塞性無呼吸にはマスクを通して気道に圧力をかけるCPAP療法、中枢性無呼吸には在宅酸素療法(HOT)と心不全専用の人工呼吸器(ASV)を使う方法がある。
睡眠時無呼吸症候群と診断されて実際にCPAP療法を施した患者からは、よく眠れて疲れがとれ、大変楽になったという感想が聞かれた。
肺高血圧症の患者の中にはよく眠れていないという自覚症状がある患者がいたが、これが睡眠時無呼吸症候群であると自覚していた患者はほとんどいなかった。田村医師は肺高血圧症や心不全の患者には中枢性の睡眠時無呼吸症候群を合併している患者が多いことに警鐘を鳴らし、その治療に意欲的に取り組んでいる。
睡眠時無呼吸症候群の治療には保険が適用される場合があるので、疑わしいと思われる人は専門医を受診するとよい。田村医師は「いびきがうるさい」「日中の眠気が多い」「熟眠感が得られない」などの症状を自覚する場合には、一度睡眠時無呼吸の有無を確かめる検査を行うことを勧めている。
「患者の自立」を促すスタイルの医療が確立していない日本では、外来だけでは患者が自分の病気をとことん理解し、心底納得して治療を受けることは難しい。患者と医師の交流の橋渡しになっている患者会の存在意義は大きい。
●睡眠時無呼吸症候群(慶應義塾大学病院)
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000265.html
●肺高血圧症研究会
http://www.aphj.org/